第36回日本炎症・再生医学会 会長挨拶
 この度、第36回日本炎症・再生医学会を、2015年7月21日(火)・22日(水)の2日間、2014年7月に開業する、虎ノ門ヒルズフォーラムで開催させていただくこととなりました。東京の新名所で、この歴史ある学会を主催させていただきますこと、大変光栄に思っております。
 本学会は「炎症学」と「再生医学」という大きな2つの分野が合体したとてもユニークな学会です。この2つの分野では、近年、幅広い様々なトピックスが注目を集めています。2012年のノーベル医学生理学賞を京都大学の山中伸弥教授(本学会理事)が受賞されたように、iPS細胞による再生医療研究は日本が世界をリードしており、その臨床応用も現実的なものとなってきました。
 一方で、エイジングや疾病の発症機序において、炎症はひとつの重要なテーマとなり、様々な研究が進められていますが、さらに、再生医療の分野においても、この「炎症」は非常に重要なキーワードとなりました。
 幹細胞(ステムセル)は、長期に渡り自己分裂能を持ち様々な臓器に分化できる長寿の細胞群と考えられています。しかし、ステムセルも少しずつエイジングしていくことがわかっており、そのメカニズムとして現在、炎症と酸化ストレスが重要なファクターと考えられています。本学会は再生医療と炎症を結びつけた大変貴重な会であり、来る本格的な再生医療の時代において大変重要な役割を担っていると言えるでしょう。
 本年の学会では、メインテーマを「炎症と再生のネクストステージ」とし、ステムセルエイジングと炎症に焦点をあて、再生医療の臨床応用を視野に入れてプログラムを検討しております。基礎から臨床への一方的な流れではなく、臨床現場の知見が基礎研究分野に大きなインパクトを与えることで、新たな次のステージへと飛躍し、基礎と臨床が両翼となった大きな進歩と発展に役立てられればと考えています。
 多くの先生方にご参加いただき、ディスカッションを深められれば嬉しく思います。

第36回日本炎症・再生医学会
会長 坪田 一男
慶應義塾大学医学部眼科学教室教授
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